「隣の家の子、最近塾に通いだしたらしい。」
世間話の中にも塾の話題がちらほら出てくることもあるかと思います。
まだ塾に通っていないけど、通わせた方がいいのだろうか、と悩んでいる保護者の方も少なくないと思います。
みんな塾に通ってる、となったらやはり少しは焦ってしまいますよね。
そんな保護者の方にこの記事を読んでいただきたい!
この記事では、
STEP 1. そもそも塾って何? というテーマから始まり、
STEP 2. すべての子に塾は必要ない ということをお伝えします。
そして、塾に行く場合を考えて
STEP 3. 塾にお金を払って何を買っているのか をお話しします。
私の考えでは「情報だけ」ではありません。
最後に、
STEP 4. 通うなら親子そろって前向きに というメッセージが書かれています。
そもそも塾ってどんな場所?
塾=勉強する場所
この認識、かなりざっくりしていますが、間違ってはいません。
しかし、昔の塾と今の塾ではその性質が変化してきていることは間違いありません。
お父さん・お母さん世代の言う塾と、現代でいうところの塾はもしかしたら全く別の場所かもしれません。
昔の塾は勉強したい人の集う場所
昔の塾は、今と異なり、学校での勉強だけでなく、もっと勉強がしたい、という人が集まる場所だったようです。
私はその時代に生きていなかったので、明確なことは言えませんし、もちろんすべての人がこのように考えて塾に通っていたとも思いません。
しかしながら、現代よりも勉強したい、と勉強に前向きな印象を持っている子供の方が多かったんじゃないかな、と思います。
そういった人たちが集まる、という意味で、昔の塾は「勉強したい人の集う場所」とここでは言わせていただきます。
今の塾は学校ではわからない人の集う場所
それに対して、今の塾は少しずつ、でも確実にその役割は変質してきています。
学校の勉強についていけない子、親に無理やり通わされている子など、勉強に対して前向きではなく、嫌々通っている子も少なくありません。
実際、私のいる塾でも勉強が嫌で嫌で仕方なく、親に黙ってサボっていたり、勉強したくないからと、一切宿題等をやってこなかったりする生徒も少なからずいます。
このように、昔の言うところの塾と、現代の言うところの塾は、勉強する場所でこそあれ、全く別の世界と考えていただいて差し支えないと思います。
少しフォローしますと、学校の指導の質が下がっていることも事実です。
それは実際に生徒から学校での指導法を聞いたり、学校の先生の授業中の発言を聞いたりしてひしひしと伝わってきています。
教育の質が下がった結果、仕方なく塾に通う、という子供たちが現れても仕方ないのかもしれません。
ただ、注意してほしいのは、学校を批判・否定したいわけではありません。
ニーズの細分化や時代の変化に伴い、学校の先生が抱える仕事量も非常に大きくなってますし、何より、細分化したニーズの中ですべての生徒の要望を完璧に満たすなんてことは到底不可能です。
塾の変化、学校の変化はどちらもある程度は時代の雪崩で仕方のない側面もあると私は考えています。
塾は万人に必要というわけではない
こういったことを踏まえると、すべての子供に塾が必要なわけではありません。
学校の勉強で十分、またはそれ以上にしっかりと勉強ができる子などは塾に行く必要はないと思います。
また、「塾」というタスクを追加することで、学校も塾もおろそかになる子もいるので、そうなってしまったら本末転倒です。
学校の勉強だけじゃ物足りない!という子や、おいていかれすぎてまじめに学校の授業を聞いてるだけじゃどうにもならない・そもそも学校の先生が何を言ってるかかなり前からわからないような子は塾に通うのがいいかもしれません。
その場合は、お子さんの目的・目標に合った塾が見つかれば非常に大きな成果が得られると思います。
塾にお金を払って買っているものは「情報」だけではない
よし!塾に通おう!と決める前にもう少しお付き合いください。
保護者の皆さんは塾にお金を払っていますが、皆さんはいったい何に対してお金を払っていますか?
ここを明確にしておくと、塾選びもスムーズになり、惰性で塾に通うといったことはなくなると思います。
この答えは様々あるので、絶対にこれ!という正解はありませんが、私なりに「お金を払っているもの」を説明していきたいと思います。
私なりの答えは2つです。
まず一つは「情報」です。
これはイメージしやすいと思います。
塾で教わる問題の解き方や進路に関する情報など、様々な情報があります。
これらを買っていると考えることができると思います。
しかし、私が思う「塾にお金を払って買っているもの」のメインは情報ではありません。
情報は全体の20%ほどです。
ではのこりの80%は何かというと…
時間です。
塾から、お金で時間を買っているのです。
自分一人で勉強するよりも、その道のプロから教わる方が圧倒的な速さで目標までたどり着けます。
自分一人で調べるよりも、進路指導のプロに聞けば一瞬でしかも正確な答えが返ってきます。
このように、自分でやっては莫大な時間がかかってしまうかもしれないことを、塾にお金を払うことで買っているのです。
この考え方、結構使えると思います。
これを意識するだけで、塾は価値あるものを私たちに提供しているかを判断できます。
もちろん、これは私の今の考えなので、皆さんは皆さんなりの答えがあっていいと思います。
私は時間と情報を買う場所が塾と考えていますが、そうでなくとも、「何にお金を払っているのだろう」ということは今一度考えてみてください。
塾に通うなら保護者も子供も前向きに!
いろいろと書きましたが、これだけは言えます。
どんな時代・環境でもこれだけは言えます。
前向きな気持ちで塾に通わなければ効果は半減以下です。
せっかくお金と時間をかけて塾に通うのですから、保護者もお子さんも納得したうえで、前向きに塾に通ってください。
まとめ
今回の記事を読めば、塾はどんな場所か、そして塾が必要な子はどんな子かが少しは見えてきたかと思います。
ただ塾に通うだけでなく、何にお金を払っているのかご家庭の中で明確にし、前向きな気持ちで塾に通うようことができるのであれば、十分に塾を活用できると思います。
そういったご家庭で、塾に通うか迷っているのであれば、私も自信をもって「塾に通いましょう!」とお伝えすることができます。
参考になれば幸いです。